伊豆畑毛温泉 大仙家
「ぬる湯にする」
温度の違う浴槽がいくつかある中で自分の好きなものがあるのだろう。
足の不自由な高齢女性が付き添いの方に、温度の違う浴槽のでどれに入るか聞かれ、体を洗う手を止め答えていた。
手すりのついた洗い場には背付きシャワーチェアが設置されており立ち上がる時も便利そうだ。
湯治宿らしい細やかな心配りだ。
高く解放感溢れた天井に源泉が落ちる水音が心地よく響く。
ここにはぬる湯で著名な畑毛温泉の源泉と「大仙の湯」という独自源泉(ナトリウム硫酸塩温泉35度)があり、源泉の温度のままの浴槽と、ひと肌程度に加温した浴槽と温度の違う2つの源泉を楽しめる、ぬる湯愛好家にとっては胸ときめくまさに楽園!
さらに露天風呂やサウナもあるので心ゆくまで喧騒を離れ日ごろのストレスを発散できること間違いない。
「ぬるま湯につかる」という言葉があるが緊張感が解れ、いつまでもそこから抜け出したくないという意味ではまさに大仙家のぬる湯はそれを言い表しているのではないかと思う。
長時間お湯に浸かっても湯あたりしないので脱衣所にある耐水性の本を読みながら体を癒す。
しかも好都合なのは、ぬる湯なので眼鏡のレンズも曇らない。
部屋は和室13室、洋室35室、4階エレベーター2台。
畳の上でゴロゴロするのが良いかと思いきや最近は洋室の方が人気らしい。
殆どのお部屋は天候が良ければ世界遺産富士山ビューだ。
この辺り一帯田園風景で高い建物はなく遠くの方まで見渡すことが出来るので、大仙家周辺を散策するのも良い。
庭園には四季それぞれに趣のある植栽が施されており、ホタルの季節には生息するホタルが目を楽しませてくれるそうだ。
さらに、「大仙窯」という陶芸工房が併設されており、全く初めての人でも陶芸体験でお好みの箸置きやぐい呑み、湯呑み、小皿等、世界に一つだけの作品を作ることができ良い思い出になると思います。
大人数でわいわいと楽しむのも一人で静かな時間を持ちたい方にもぴったり。
看板猫の「あずきちゃん」も工房内で良い仕事をしていますよ。